「いっぱいいますよ。いろんなところに見に行きすぎて、どれが良いのかわからなくなっちゃいました、とおっしゃるお客様」と語って下さったのは、小布施町で天然素材にこだわった木造の家づくりを企画・建築していらっしゃる小布施「夢に家」の今井昌毅社長。今は、あまりにも情報が多すぎて、かえって自分たちにとって何がポイントなのか見えなくなってきているのではないでしょうか、と言います。

 「プランニングの前のヒアリングで大事にしていることは、その人の趣味や、休日に何をして過ごすか、毎日何時に帰ってくるのか、といった毎日の生活のことなんです。その趣味は年に何回ぐらいやるのか、どれだけ大事にしているのか。そういうところからも、趣味のためのスペースは必要なのか、取れるとしたらどれくらい、などがだんだん分かってきます」。

 家族構成や生活環境はもちろん、まずは、家族の毎日の生活を見つめてみること。
そして、何を大事にしたいのか、どんな風に暮らしていきたいのか、をリストにして書き出してみてはいかがでしょう。

 チェックリストには、いろんな要素が入ってくるでしょう。冬暖かい家、健康住宅、リビングに家族が集まる家、友達がたくさん集まって料理を楽しめる家、エネルギーのかからない家、冬結露しない窓、お父さんの居場所が欲しい・・・・・・。一見すると矛盾しそうな項目だってかまいません。それが家族にとってライフスタイルの原型になるからです。

 次は、その項目を、設計事務所や工務店にぶつけてみること。きっとそれらを踏まえた、より専門的なアドバイスが、もらえるはずです。

 「たとえば、このモデルハウスは、2階のリビングの西側が全部窓になっています。普通は西向きの窓というのは暑いから敬遠される。でも、あえて西側を大きく開口部をとったのは、ここから北信五岳の見事なパノラマが一望できるからなんです。
冬はほとんど暖房もいらずに暖かい。夏はちょっとだけ暑いけど、それも1~2ヶ月でしょう。メリットとデメリットをよく考えて、自分たちが『いいな』と思える方を、なっとくして選んでいけばいいのではないでしょうか」。

 家づくりは、けっこう変わったことを取り入れても、デザインとして生かされる場合がある、と今井さんは言います。そこに建てる人の個性が表れ、遊びが生まれ、楽しさが生まれる。つまり、その人らしい家のカタチになるというわけです。

 ただしその際、ちゃんとメリットデメリットを理解して、その上でナットクして選ぶようにしましょう。

 たとえば無垢のフローリングにすれば傷がつく。でも気持ちがいいし、健康にもいい。どうしますか?という話です。プロなら教えてくれるはずです。

 デメリットも承知で自分が選択するところに個性が生まれてくるのです。

 家づくりは何千万もの大金がかかるし、一緒に何度もできるものじゃないから、と慎重になりすぎて、ついつい無難な家を建ててしまう・・・という人も多いのでは。同じような間取りやデザインでできた家に、住む側が合わせてみても、自分たちらしい暮らしはもちろん快適に暮らせるはずがありません。

 「家は自分たちが、自分たちらしく、楽しく快適に生きていくための舞台」と考えれば、もっと自由に考えてもいいのではないでしょうか。

 子どもたちがいっぱいいる家は、遊園地みたいな家だっていい。週末には仲間と飲んで語って音楽を奏でる居酒屋のようなリビングだっていい。窓を開け放して裸足でリビングから出ていけるような、内と外がつながった家だっていい。人間ひとり一人の顔が違うように、家だって一つ一つが違ってても良いのではないでしょうか?

 設計士さんや工務店さんの頭をガンガン刺激して、世界でたった一つだけの自分の家を建ててみましょう。

 健康的で地球にも環境にもやさしくて、資源を使い捨てにしない持続可能なライフスタイル、ロハス。家づくりでも、そんなロハススタイルを選ぶ人たちが増えてきました。快適さの基準が、少しずつ変わってきたようです。自然と折り合いながら、便利すぎず、涼しすぎず、ちょっとスローなライフスタイル。

 

 シックハウスはもう片付いた過去の問題、と思っていたら大間違い。24時間換気をいくら義務付けても、完全に室内の空気を換気することは難しいことがわかってきて、やはり、家を建てるときからきちんと素材を選ぶことが大切だと言われるようになってきました。

 床材・壁材など、既製のものにはやはり化学製品がコーティングされているケースが多いです。湿気を調節する効果、温度を和らげる効果は無垢材がいちばん。でも、傷つきやすく、汚れやすいという特徴もあります。

 自然素材由来の塗料が出てきました。赤ちゃんがなめても安全なお米から作った塗料もあります。このほか、蜜蝋ワックスや、植物油から作られたヨーロッパ製の塗料、えごま油なども注目されています。

珪藻土がブームでしたが、今注目はそとん壁。火山灰シラスを主原料とした100%自然素材のエコロジー建材です。日本古来の漆喰も再び注目されています。

ウール、コルク、麻などの天然繊維を原料とした断熱材があります。

 ロハスな生活の第一歩は、手作り。すぐに買ってくるとか、捨ててしまうというのではなく、手作りとリサイクルを楽しんでみては?

にんじんの頭のところを水を張ったお皿に浮かべておくと、緑の葉っぱが出てきます。観葉植物としてもいいし、ちぎってスープに浮かべてもポイントに!里芋は、半分に切って水につけておくと芽を出し、大きな葉っぱになります。ちょっとしたアジアンテイストのグリーンにぴったり。

ベランダや家の周りにネットを張り、アサガオ、キュウリやニガウリなどのツル植物を茂らせれば、夏の日差しを遮り、目にも涼しい。ガーデニングとしての楽しみも味わえます。

●取材協力

小布施「夢の家」株式会社イマイ企画
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