このところ注目を浴びている「エコな暮らし」。
ゴミのこと、緑のこと、食べ物のこと、買い物の仕方のこと・・・
自然環境に配慮したナチュラルなライフスタイルを求める人が
ますます多くなってきています。
今では車も電化製品もスーパーマーケットも
どこまで環境に配慮しているかが大きなポイントです。
では、エコな住まいってどんな住まいでしょう。
エコロジー(ecology)で、エコノミー(economy)な住宅について
いろいろな角度から考えてみましょう。
私たちは、より快適に、より便利に、という思いでたくさんの新しい文化をつくりだしてきました。
もうリモコンのないテレビなんて考えられないし、エアコンのない夏なんて耐えられない。
そのぐらい、便利な文明に囲まれているわけです。
リモコンひとつで何でもできるってとても便利、住宅だって冬も夏も、一年中家の中が同じ温度なら、
快適で最高ですよね。でも、これってエコなんでしょうか・・・。
「私は、便利さも快適さもほどほどがいいと思っています。便利になるということは人間の能力が
衰えることにつながるし、快適になればなるほど体の抵抗力が弱くなる。そんな気がします」。
こう話してくださったのは建築家の西沢利一さん。エコな住宅とは、快適すぎず、便利すぎない家だと言います。
「環境省でもクールビズ、ウォームビズのキャンペーンをやっていましたよね。冷暖房に頼りすぎず、夏は少しぐらい
暑くても涼しい衣服ですごせばいいし、冬はちょっと寒ければセーターを着ればいい。それを1年中家の中では同じ格好で
いようとするからエネルギーがたくさん必要になってしまう。エコは、ちょっとした不自由さや不便さを一人ひとりが
引き受けていけるかどうかにかかっているんじゃないでしょうか」。
エコ住宅づくりの第一歩は、家族の生活を見直すことからのようです。
では、どうしたら「ほどよく快適」なエコ住宅を実現できるのでしょうか。
「ヒントは自然です。真夏に木陰に入ると涼しいでしょう。同じ空気なのに、すぐ隣の
日向は暑くて木陰が涼しいのは不思議でしょう。それに真冬でも陽溜まりは暖かい。
この自然のエネルギーをうまく採り入れることですよ」。
自然の風も、太陽の光もゼロ円です。換気システムで風を送らなくても、窓から涼しい風を採り入れられたら、ただ。
風や陽射しが季節ごとにうまく採り入れられて、それでいてプライバシーや安全が保てるような家だったら、
エコロジーにエコノミーに暮らしていけそうな気がします。
「昔の民家のように、庇(ひさし)を出して木を植えて・・・というのが理想ですが、立地条件の関係などでなかなかそういう
家づくりができなくなっています。そこで、私は最近、格子戸を使っています。格子戸は、夏は太陽熱を遮り風だけを通してくれる。
通りに面していても目隠しになる。なかなかいいですよ」。
ポイントは、風と光の入り口「窓」でもあるようです。
窓は、どんなに性能のいいものを使っても、壁のように断熱することができません。つまり、外気の影響を受けやすい
部分であるということ。どの方向にどんな大きさの窓をつくるかは、省エネ&エコ住宅にとっては重要なポイントです。
「1年を通して光や風の入り方を考えてみること。南に大きなサンルームつくれば、夏は暑いです。
足の長い西日の強さも、住み始めるとたまらないものです」。
広葉樹や植物を植えるなどして、夏の陽射しを遮り、冬は陽射しを取り込む工夫もいいでしょう。
屋根はもちろん屋根断熱。できるだけ外側で断熱することが、断熱効果アップにつながります。
「外断熱」も、まだ未完成な部分があるようですが、自然に空気が流れるような構造にして、家自体が蒸れないように
すると長持ちするそうです。
自然素材一木の家は、コンクリートや新建材の家に比べて断然エコです。
「コンクリートや鉄骨と比べても、家の寿命は木造がいちばん長い。木は湿気や温度を調節してくれるし、呼吸していますから。
また木の床なら菌は繁殖しません。」木の家の湿度は50%前後ですが、このぐらいの湿度の時には菌が死んでしまうそうです。
そして、木は伐っても再生可能な資源で、日本の木を使うことで山にも手が入り、環境保全にもつながる。
最後は燃やせば土に還る。すばらしいエコ素材です。
西沢さんいわく、エコは「ゴミ捨て場に行ってしまうような家を建てないこと」だそうです。
手入れをして、リフォームして、年月を経るごとに味わいを増していくような、そんな家が一番エコな家だと。
太陽光発電とか、最近は風力発電、ガス発電など、自然エネルギーを利用して家庭用の電力が作れる省エネと環境保全の両方ができます。
白熱電球をほぼ同じ明るさの電球形蛍光灯に変えると、電気代が1/5に、しかも寿命は6倍長持ちになる商品もあります。
窓に障子があるだけでも断熱効果がありますが、強化和紙で二重にすれば、さらに断熱効果アップ。
自分の家を見回して不要なものに囲まれていたら要注意。不要なものはもたず、シンプルな暮らし方を心がけましょう。
たとえ狭い庭でも、土を耕し、花を植え、木を植えてみてください。土と緑に触れる暮らしを始めたら、
自然との共存の始まり。エコのセンスがここから育ちます。
家が快適なら休日は家にいるのが一番。
外へ外へと出かけることばかり考えず、時には家でゆっくりと過ごしてみませんか。
車に頼らず、家でご飯を食べて、家で遊ぶ。究極のエコレジャー。そんな家がつくれたら、最高です!
県土の約8割を森林に囲まれている長野県、まさに森林国。この豊かな森林が育む信州の木を利用した質の高い住まいづくりに、
今関心が集まっています。
もちろん木の家はエコロジー。そして県産材を使えばもっとエコロジー。地元の木材は運搬のためのエネルギーやコストを抑えられ、
長野県育ちなので気候風土にも最も適しています。また大切な森林を守り、良質な木材を生産するには適正な間伐が必要です。
県産材を使った住まいづくりは、森林保護につながります。
今、長野県では、ちょうど伐り時を迎えている県産材を大いに使ってもらおうと、さまざまな事業を進めています。
自然素材のづくり家を考えている方は要チェックです!
<その1>
いくらふんだんに木を使っても木材の材料費は建築費用全体の約12%、しかも外材と県産材の差額は約50万円ほどだそうです。
県産材利用によるコストアップ分を県が助成してくれます。(リフォームの場合25万円を助成しています。)
●住宅の基準は?
木造住宅で、県産材を50%以上使い、バリアフリー・省エネなど一定の条件を満たすこと。
●利用者の条件は?
これから建てる家に自ら居住する人で、翌年の3月までに住宅が完成できる方。などです。
<その2>
実際に信州の木を使って家を建てた方のお宅を見学しながら、感想や、苦労したところなど、直接お話しできるそうです。
参加料は無料。見学希望日や時間も自由に設定でき、見たい住宅のタイプも調整していただけます。詳しくはお問い合わせください。
●助成制度、木の家、見学会の
お問い合わせ・お申し込み先
信州木材認証製品センター
長野市岡田町30-60
TEL 026-226-1471(担当 松本・三石)
長野県庁 林務部 信州の木活用課
TEL 026-235-7266(担当 久保田)
(土・日のお問い合わせ・お申し込みは
090-9669-2428)